雇い止めの一部撤回が成立したことについて

2・13衆議院院内集会で「職場復帰」を報告する河合支部長
2・13衆議院院内集会で「職場復帰」を報告する河合支部長

  雇い止めの一部撤回が成立したことについて

 

私達は非常勤講師として長年勤務した組合員を5年で無期転換させ、雇い止めを撤回するよう静岡や札幌でストライキを実行し、複数に分かれて東京地裁に提訴もしています。

 

しかし、2023年2月6日に東海大学から届いた書面は驚くべきものでした。

当方の原告である河合紀子さんのみについてですが、【雇い止めを撤回する。その後、無期転換してくれて構わない】というものです。特に条件も付いていません。

 

理由は、【(河合さんについては)もともと雇い止めする予定ではなかったが、現場のミスで雇い止め通告をしてしまったため】と記載されていましたが、全体として率直かつ誠実な文面でした。はじめに提案された出勤曜日では調整が難しいと弁護士さんを通じて連絡すると、東海大学側はなんと半日で修正してくれました。驚くべき決断の速さと言わざるをえません。

当初河合さんは「皆さんより先に自分だけ救済されるのは・・・」と戸惑っていましたが、組合の皆さんが(自分たちだって大変なのに)東海大学の提案を受諾するよう説得し、河合さんもそれに従う決断をされました。

 

 今回のことは以下の2点で大きな意味があります。

第一に、労働組合のない東海大学に、非常勤講師だけでなく専任や職員の人たちが全国から結集して労働組合を結成し、団体交渉を重ね、上部団体である横浜地区労や神奈川労連、支部のある静岡県評、札幌地区労連の支援を受けながらストライキを実行できるまでに力を培ったという点です。組合員たちは「どうせ勝てない」と諦めることをせず、まだまだほんの少しですが「押し返す」ことに成功したのです。

第二に、あれだけ頑なに見えた東海大学が大きな決断をしてくれたことも指摘しなければなりません。おかげで一人の教員の人生が破壊されずに済みましたし、当該第二外国語の灯が守られたことは東海大学の学生さんにとっても大きな利益になります。

 東海大学はいまだに他の組合員らの無期転換や雇い止め撤回に応じておらず、その点については私たちも断固として裁判や各種組合活動で主張を繰り返していきます。しかし、今回の一件については当組合も率直に東海大学に敬意を表したいと思います。

 

東海大学教職員組合 

執行委員長 佐々木信吾